転職理由第1位の真実
転職理由で最も多いのが職場の人間関係である。つまり、今の上司や部下、同僚と一緒に働きたくないということである。これを好き嫌いや価値観の不一致と決めつけるのは早計かもしれない。転職理由の第1位と言われる職場の人間関係の問題は、実はもっと本質的な本当の理由がある。
職場には仲の悪い人がいる。その最大の原因を「価値観の違い」と見る向きもあるが、私はむしろ「スピードの違い」だと思う。転職理由の第1位「人間関係の悩み」の本当の原因を探ってみよう。
「仕事をこなすスピード」が違いを生む。
仕事の進め方は人によってさまざまだ。てきぱきと効率よく仕事を進める人もいれば、慎重で「検討中」と呼ばれる空白の時間を作り、その間に仕事を中断したり、完成を遅らせたりする人もいる。
実際、仕事の出来栄えにほとんど差がない場合、仕事の完了スピードだけで、ある人は有能、別の人は無能というレッテルを貼られることもある。時は金なり、いずれにしてもタイミングが重要なのは間違いない。
仕事が速い人は、他の人が時間を失うのを見るに忍びない。一方、仕事の遅い人の多くは、自分の仕事のスピードを変えることができないため、仕事の速い人と一緒に働くのは難しいと感じる。そのために退職や転職を考える人も多い。仕事のスピードは、仕事のパフォーマンスや満足度に大きな影響を与える。
技術よりも判断のスピードがカギとなる
では、何が仕事を成功させるのだろうか?計画性、正確さ、粘り強さ、戦略など、さまざまな要素がある。総合的に見れば、その人のビジネススキルの差である。逆に、どんなにスキルの高い人でも結果を出せないこともある。それはタイミングである。
仕事が速い人はスキルが高いかもしれないが、仕事が速い人と遅い人の決定的な違いを生むのは「判断の速さ」である。具体的には、状況を的確に判断し、他の可能性を考え、リスクを計算し、プレゼンの準備をし、相手に真意を理解してもらうスピードである。一言で「判断のスピード」といっても、さまざまなタイプがある。仕事が複雑で多くの判断を下さなければならないため、一つの仕事を完遂するのは容易ではない。
価値観よりも大切なものがある
別の例を考えてみよう。私は職業柄、中途採用のケースを数多く見てきたが、タイミングがすべてだと感じることが多い。どんなに優秀な人でも1週間以内に面接に行けず、結果的に他社に決まっていて不採用になったという話は枚挙にいとまがない。このように、意思決定のスピードが結果を左右することがある。
そもそも、職場で一緒に働く人との価値観の一致を見つけること自体がハードルが高い。仕事で効果的なコラボレーションを行い、高い成果を出したいのであれば、むしろ相手の「スピード」をチェックした方がいいかもしれない。テンポが合えば、たとえ経験の差があったとしても、お互いのできることを補い合うことで、大きな成果を上げることができるかもしれない。つまり、理想の上司と部下の組み合わせも「スピードのマッチング」で決まるはずだ!
スピード重視で転職先を選ぶこともできる
仕事で成果を上げるのは職場であり、チームワークによって相乗効果を生み出すのも職場である。チームを編成する際には、「スピード感」を共有できるメンバーを決めることが望ましい。社外からの中途採用にも同様の配慮をすれば、採用ミスは確実に減るだろうし、転職先を選ぶ際にもスピード感を重視すべきだ。
実際、いくら価値観を共有しても、仕事で結果を出せなければ職場の人間関係は悪化する。職場は人が集まって仕事をする場であり、趣味や親睦を深める場ではない。共通の目標があり、結果を出さなければならない。つまり、仕事で結果を出せなければ、そのグループは存続できず、解散しなければならない。
逆に、価値観が合わなくても成果が出れば、その集団は案外長続きするもので、「一緒に仕事をしやすいから」「価値観が合うから」という理由だけでチームを作るのは危険だということを物語っている。
転職したいと思うほど職場の人間関係に悩んでいる人は、新たな視点で自分に何が一番足りないのか、何を改善すべきなのかを考えてみてはいかがだろうか。


